コジマ農場 小島信之さん

今回取材したのは、修造か!? コジマか!? というくらい、熱い農家さん(笑) コジマ農場の小島信之さんです。 

独自の考え方、人との繋がり、観察眼、夢など、ただ熱いだけじゃない、注目の農家さんです! 


—このあたりのご出身ですか? 

コジマ:実家は町田です。去年の秋、就農していた山梨から引っ越してきました。山梨の北杜市で1町5反(4,500坪!)くらいの規模でやってました。

     

—この地を選んだのはどうしてですか? 

コジマ: 地元の人のために働きたいって思ったんすよ。地域に支えられてやる農家がいいなって。時々父親が手伝いに来てくれます。  

           

—農家さんになる前はどんなお仕事をされていたんですか? 

コジマ:農家になる前は、東京でシステム開発の会社を経営してたんすよ。海外の仕事をしたり。

                              

—えー!スーツとか着てたんですか? 


コジマ: スーツ着てましたよ(笑)  

                   

—それがどうして農家に? 

コジマ:なんかね、世の中の役に立ってる気がしなくて。もう少しわかりやすく世の中のために働きたいなと。不規則な生活とストレスで、せめて食にはと気を遣っていて。食べ物が変わると身体が変わるってのも感じていたし、一番安心して食べられるものは自分自身で作ったものだろうと思って農家に。                                                   

—全然違う仕事で、農家はきつくないですか? 

コジマ:元々アウトドア派だったから、外の作業はOKだし、当時はパソコンを使った仕事で、疲れの質が違うよね。今の方が労働時間が長くて休みもないけど、今の方が全然楽です。

                          

—(採れたてのキュウリをいただく)わっ甘い!全然雑味がないですね。 

コジマ:キュウリは自信があります。なんて言ってると来年全然できなかったりするんですけどね(笑)  

                        

 —無農薬だと虫とか大変じゃないですか? 

コジマ: 虫がついた時点で俺の負けって思ってる(笑)虫って不要なものを食べてるの。土が悪いと虫もつきやすいね。そもそもここでその野菜を育てるべきじゃなかったって考える。葉っぱの病気も、慣行農法なら薬で止められるけど、ウチは全部取っちゃう。病気になった葉や役目を終えた古い葉を落として新しい葉の生育を促すんです。病気の葉があると、植物はそれに抵抗するために成長したり、結実するエネルギーを使ってしまう。植物が自分の力で健全に成長するお手伝いです。                               

 —この野菜は何ですか? 

コジマ:これロマネスコ。全滅で採れなかったの。栽培時期が今年の天候と合ってなかったからだね。適期適作が有機農業の基本だけど、種を蒔く時点では、先のことがわからないから、エイヤで作るしかなくて。でもこっちがダメでも同じ条件下で他の野菜はよくできることを見据えてリスクを抑えるっていうのが多品目栽培の技術。不思議なことに、どんな異常気象でもすべての野菜がダメになることはない。人は自然に生かされているって実感します。こういうことの繰り返しだから、タフになるよ〜災害に強いと思う(笑)  

                                                    

—肥料は使っていますか? 

コジマ:有機肥料は入れます。それは土を作るために。草を刈って土を作る。生えてくる雑草が土壌を表しているから、そういうのを見つつね。この畑は去年始めたばかりだから、ここでこの草生えちゃうんだってのはあるね〜 

                                            

—相当広い範囲で畑をやってらっしゃいますけど、コジマさんの野菜はどこで買うことができますか? 

コジマ:野菜セットの個人宅配や地域の飲食店に卸したり、橋本のわらわら市、藤野のビオ市にも出してます。顔が見える関係にこだわっていて。僕の野菜を喜んで食べてくれる人をもっと気持ちよくしてあげたいし、そのために技術を上げようっていうモチベーションになるんで、いい緊張感があります。

                                            

 —以前「エディブルシティ」の上映会の時にコジマさんが「生産者と消費者の垣根をなくそう。」と話していたことが印象的でした。 

コジマ:覚えてる!そういう垣根がいろいろな差別の原因になると思うから。農家だって消費者だし、農家仲間同士で野菜を買ったり売ったりしてる。みんな同じように生産の喜びや苦しさを知ってるから、フラットな関係でいられる。生産と消費は人間の根源的な活動だから、生産者だ、消費者だって線を引かずに、植木鉢一つでも、それぞれのできる範囲で生産に携わった方がいいなと思う。 今構想中のことがあって、トマトの苗をビオ市のお客さんとか、いわゆる消費者に配布して、それぞれできる範囲でトマトを栽培して、できたトマトをタンポポの利用者さんや地域の人に手伝ってもらってケチャップに加工する。みんなで生産した無農薬の美味しいケチャップがみんなの食卓で消費される。全員生産者で消費者。障がいがあってもなくても一緒。みんなで力を合わせて美味しいものを作って食べる。熱いでしょ! 

                                                                

—奥さんは農家に反対しませんでしたか? 

コジマ:エコノミックアニマル時代を知ってるからね(笑)農家やりなよって。金がなくなっただけ。農家ってお金以外の全部を持ってるよ。子どもと遊ぶ時間もたくさんあるし、食も安心。そういうストレスがないのは幸せなこと。                                            

辞めたいと思ったことはありますか?という質問に、「第一次産業の喜びを知ってしまうと、もう戻れない!」とコジマさん。本当に楽しそうに、でも野望もチラチラ見えつつ。これからの活動がとっても楽しみですね。 転職があるとしたら、漁師だそうです(笑) 

(写真 三谷 浩)                            


 【コジマ農場データ】小島信之さん 

生産地:津久井湖近く(緑区根小屋) 

規模:約1町(3,000坪) 栽培品目:約40品目 

栽培方法: 無農薬、化学肥料不使用 

出店情報:第1、3火曜ビオ市(藤野倶楽部)

     第2、4火曜 わらわら市(橋本駅北口シダックスそば) 

HP: http://ameblo.jp/kojimafarm/ 

FB: https://www.facebook.com/kojimafarm/?fref=ts                             

0コメント

  • 1000 / 1000